住宅ローンの繰り上げ返済

注文住宅を新築した際に、最も気になることはそのローンの返済についてです。住宅ローンの借入時には何年で返済を行うかのプランを決めますが、同じ金額を同じ金利で借り入れたとしても、返済期間が短期の場合は毎月の返済額が高額となり生活を圧迫してしまうことになります。そのため、返済プランは毎月の返済額をなるべく抑えた長期間の借り入れが主流となっています。例えば3000万円を2%の利息で借りた場合には、20年ローンの場合と30年ローンの場合では、毎月の支払いで4万円以上の差がでてきます。しかしながら、長期間かけて返済する場合は支払う利息も多くなるために、最終的な返済額の合計は短期の返済計画よりも多くなります。20年ローンと30年ローンを比べると、30年ローンの方が350万円程上乗せされます。この利息の支払いを少しでも減らしたいと考えた時には、ボーナスなどまとまった資金が出来た時に繰り上げで返済を行うことで借入の元本を減らすことが可能です。繰り上げ返済を行うことによって減った元本分の利息支払いを抑えることができるうえに、返済期間も短縮させることができます。

3000万円の借入で金利2%の場合に、翌年に100万円の繰り上げ返済を行うと、支払う返済総額を95万円減らすことができるほか、返済期間も一年半短縮させることができます。繰り上げ返済の時期が早いほど、またその金額が大きければ大きいほど支払う額は軽減され、支払期間短縮効果も高まります。また現在適用されている低金利状態であれば、毎年こまめに繰り上げ返済を行っても、数年に一度まとめて繰り上げ返済を行っても返済期間にほとんど差は出ません。繰り上げ返済を行う際に注意する点としては、銀行の手数料が発生ことがあげられます。

インターネットからの申し込みであれば無料とする銀行が多くありますが、銀行窓口を利用した場合にはほとんどの場合で手数料が発生するため、何度も繰り上げ返済を行う場合には手数料を確認して、インターネット経由での申し込みを行えば無駄な支払いを節約することができます。また住宅ローン控除の適用に返済期間が10年以上という条件があり、繰り上げ返済をすることで残りの返済期間が10年を切ると住宅ローン減税を受けられなくなります。また繰り上げ返済によりローン残高が減ると減税で戻る金額が減少するため、住宅ローン減税の適用期間が過ぎてから繰り上げ返済を開始したほうが有利になる場合もあります。